邪悪な香りは誰のため?

アルバイト先に出勤

割り当てられた部屋の入口に立ち

ほどほどの勢いで開ける

その時に忘れてはならないのは

これでもかというほど「思いっきり酸素を吸い込むこと」

そうしないと、耐えられない

中に入ったら、なるべく長く息を止め

限界が来たら、少しずつ息を吐きだす


最初の頃は

柄にもなく遠慮して

だれにも言わなかったけれど

ついに私は言ってしまった

「朝、ここに入ってくると、のけぞるようなひどい臭いがする」

すると、似たような意見が

ざわざわと聞こえてくる


臭いの発信元は、若いお兄さん

背が高く足も長い

見た目は悪くはない

それなのに

お酒臭い

それも毎日臭い

そのうえ、ときおり

臭いが激しい

たぶん、前夜の食べものだ!

刺激的な臭いの物を食べたのだろう

美味しかったに違いない


閉ざされた部屋の中で

全員がそれに耐えて

無事に雇用の満了日を迎えた時は

今までのアルバイトとはかなり違う達成感が

静かに私の中にやってきた……


その後の物語り

この時の給料でわたしは

とある公立の大学の

科目履修生になるべく

ずうずうしくも熱烈なお手紙を

その大学の教授に書いたのだった


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